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看護師人材紹介会社のキャリアアドバイザー必見!看護師さんの心を掴む面談方法
2022.03.08
看護師さんと面談をした後、希望に合った求人を探し、応募可能先やその他近隣の求人情報をお届けしているのに、「なぜなかなか面接を設定できないのだろう?」というお悩みを抱えていませんか。
今回は、キャリアアドバイザーが陥りがちな面談の失敗例とその改善策を具体的にお話していきます。面談のポイントをおさえ、看護師さんを面接にしっかり導けるようになりたいキャリアアドバイザーはぜひ最後まで読んでみてください。
下記のような対応に心当たりはありませんか?
✔ 希望条件について1つ1つ順番にヒアリングをしている
✔ 条件をヒアリングする際に「家から近いほうが良いでしょうか?」というようなYES/NOで答える質問をしている
✔ 希望条件が厳しそうだったので「いいところがあれば、ご提案しますね」と言って電話を切っている
このような面談をしている場合は、今すぐ改善が必要です。
なぜこのような対応をしてはいけないのか?どのように改善したら良いのか?を1つずつみていきましょう。
前回の記事でお話しましたが、面談は希望条件を聞く時間ではなく、求職者の現状の課題は何か?を確認する時間だからです。
もちろん、最終的には”どんな条件で探すか”ということは決めないといけません。
しかし、転職は求職者の課題解決の1つの手段ですから、まずは求職者がどのような状態に置かれているのか?という現在の状況をヒアリングし、その求職者がどのようなことに困っているのかを確認するのが先です。
それが終わってから「どんなところで働きたいか」という未来の話に繋げていく必要があります。
下記は実際の求職者との会話の例です。
こちらの例では、求職者は「残業がないところ」「家から車で15分」「休みが多い」というのが希望条件に見えますが、これだけでは”どんなことに困っているのか”がまだ分かりませんので、下記のように深堀をしていきましょう。
POINT1
求職者は「残業が多くて」と言っていますが、多い・少ないというのは人ぞれぞれの感覚です。
「多い」とは具体的に何時までなのか?という確認が必要です。
POINT2
「残業が多い」というのは単なる事実に過ぎません。
たしかに常識的に考えると「残業が多い」というのは良くないことであり、転職理由の1つになりやすいかもしれません。
ただ、残業が多くても辞めるほどではないという人もいますし、残業が苦にならない人もいます。
重要なのは、「残業が多い」ということによって、求職者にどんな支障があるのか?どんなことに困っているのか?を確認することです。
この事例の場合、求職者は「残業が多い」(早くて19時半)という事実によって、「保育園のお迎えに間に合わない」ということに困っているのです。
つまり、この求職者の課題は、「保育園に間に合わないこと」であり、本当に希望しているのは「保育園のお迎えに間に合うこと」ということです。
「残業がないところ」「家から車で15分」「休みが多い」というのは、表面的な希望条件でしかなく、この条件で求人を探すと、条件に合わない求人を探してしまうことにも繋がります。
極端な話をすれば、残業はないが遅番などがあり”定時が19時半”の求人が見つかったとしても希望と合わないということになります。
YES/NOで答えられる質問をしてはいけない理由は、求職者の本心を聞く機会を失うからです。
例えば、「家から近いほうが良いでしょうか?」や「お給料は高いほうが良いでしょうか?」という質問をされた場合、あなたなら何と答えますか?
仮に通勤距離や給与の優先順位がそんなに高くなくても、こだわりがなかったとしても、「YES」と答えてしまいませんか?
家から遠いほうが嬉しい、お給料が低いほうが良い、という人はほぼいませんから、距離が近ければ近いほど通勤はラクになり嬉しいですし、お給料も高いほうが嬉しいのは当たりまえなのです。(たまにドライブが好きなので家から近すぎると嫌、という求職者とはお会いしたことがありますが…)
このような質問をしてしまうことで、求職者の本心をとらえないまま、キャリアアドバイザーが勝手に「家から遠い求人は求職者にとって負担である」「お給料が低い求人は希望と違うから提案するのは失礼だ」と思い込んでしまい、提案する求人の幅が狭くなってしまい、求職者のキャリアの選択肢を減らしてしまうリスクがあります。
では、どのようにヒアリングしたら良いのか。
それは、相手に考えさせる質問をすることです。
質問には下記の2つの質問があります。
質問する相手は自由に答えられる質問。
テストに例えるならば記述式。
【メリット】
答えに制限がなく幅広い答えを引き出せる。本音を引き出しやすい。
話を盛り上げたり、相手に考えを深めてもらうことができる。
【デメリット】
回答に時間がかかったり、話が散らかる可能性がある。
質問相手がYES/NOやA/B/Cから選択するような回答が制限されている質問。
テストに例えるならば、マークシート形式や〇×問題。
【メリット】
相手が回答しやすい。
【デメリット】
一方的な会話になってしまう。相手の本音を聞き出しにくい。
POINT1
面談の前半では、求職者が自分自身で考え自由に回答ができるオープン質問を取り入れて求職者の考えや意見などをご自身でも考えてもらい、本音を引き出していきましょう。
質問は、5W1H(What・When・Who・Where・Why・How)を意識すると良いでしょう。
最初、慣れない間は、「なぜ?」と「具体的に?」とメインで使ってみるのがおすすめです。
POINT2
面談の後半では、YES/NOで答えられるクローズ質問を取り入れて希望条件の確認を行いましょう。
YES/NOで答えられる質問はヒアリングに使用するのではなくて、確認する際に使うのがポイントです。
この発言、一度はやってしまったことがあるのではないでしょうか。筆者も新人の頃にやってしまったことがあります。
この発言がNGは理由は「いいところ」は待っても出てこないからです。筆者自身もこの会話をした求職者にその後「いいところが出ましたよ!」と言って成約することはありませんでした。
例外として、地方でお住まいの地域に医療機関がそもそも1つや2つしかなく、ハローワークなどの手段を使ったとしても就職が困難である場合もあり、今回はそのようなケースは含みません。
あくまで、お住まいの地域に提案できる求人が複数件あるにも関わらず、このようになってしまう場合です。
このようなケースで求職者が言っている「いいところ」とは、「土日祝休み・日勤・給料は今より下げたくない・家から近い・クリニックetc…」など”希望の条件”を全部叶えようしている場合によく起こります。
こういった求職者と出会った際、求職者に対して希望の求人を提案してあげられない罪悪感を抱いたり、「そんな条件の求人あるわけない!」と少しモヤモヤしたりするキャリアアドバイザーも多いです。
だた、これは、求職者がわがままを言っているわけではないですし、求人を探してあげられないキャリアアドバイザーが悪いわけでもありません。
お察しの通り、そういった求人は存在しません。
また、求職者はそのような求人がないということろ知らないため「あったらいいな」と思って希望を言っているだけで、仕方のないことなのです。どちらが悪いということではありません。
であれば、それを伝えずに「いいところがあれば、提案します」と言ってその求職者の求める条件が厳しいということを伝えないということは、求職者に期待をさせてしまうことになり、かえって失礼になってしまいます。
条件が厳しい方への対応は下記の2つがポイントです。
POINT1
「転職は課題解決の1つである」ということを伝え、現在どんなことに困っているのか?を再度ヒアリングしましょう。
この内容は【1】で説明した内容の繰り返しになってしまいますが、最終的にはやはり”なぜ転職するのか?”というところに行きつきます。今困っていることを解決するための手段が転職なので、「すべての条件が叶うところでないと転職しない」というような考え方では、今自分が抱えている悩みは解決しないということをお伝えしてあげるのが良いでしょう。
逆に、転職に対して前向きでない方の場合は、転職せずに解決する方法、例えば院内での異動や系列の医療機関や介護施設への異動はできないのか?ということや、雇用形態の変更(正社員⇔パート等)の選択肢はないのか?等を一緒に考えてあげてください。
転職はなにかと大変なことも多く、しないにこしたことはありません。辞めない選択肢はないのか?探ってあげることも求職者に寄り添うことの1つです。
POINT2
希望する条件が多すぎて合致する求人がない場合は、どこの条件を緩和したら合致する求人が見つかるのか?を提案することが必要です。
例えば「”土日祝休みのクリニック”という求人は世の中になかなか出回らないので厳しいですが、土曜日は頑張れば午前だけ出勤できる、ということであればご提案できるところが増えると思います。
もしくは、若干お給料が安くなりますが、フルタイムパートでも経済的になんとかなるということであれば、こちらで交渉してみることもできます!
他にも、土日祝休みが絶対ということであれば、オンコールを頑張ってもらって訪問看護はいかがでしょうか?なるべくオンコール回数が少ないところを探しますので。」というような提案です。ただ「土曜くらい出ないと求人がありませんよ」や「オンコールができないとなると厳しいですね」という言い方ですと、言葉を受け取った相手は気を悪くしてしまう怖れがあります。
そして、提案する時は、相手に条件を譲歩してもらうだけではなく、譲歩してくれたら、自分はどのようなことができるのか?ということも合わせてお伝えしてあげるのが良いでしょう。
では、ここまではNG事例を元にお話をしていきましたが、面談の時に意識するポイントは下記の3つです。
① 面談は希望条件を聞く時間ではなく、求職者の課題は何か?を確認する時間である
② 面談の前半はオープン質問をし、後半はクローズ質問をする
③ 求職者の希望を全部叶えようとしないこと
ここまで読んでいただいて気付いた方もいるかもしれませんが、今働いている人に面談をして、現状の課題や困っていること、支障を確認するのは分かったけれども、離職中の人はそもそも働いていないのだから、課題なんてないのでは?と思いますよね。
このような離職中の方の、課題・困っていること・支障とは、「働かない状態が続くことによってどんな支障があるのか?」を確認すると良いです。
お金がないことで、お子さんを塾に通わせられないとか、家にいることで自分の将来叶えたい目標が叶わないとか、その方にとって働かないことによって困ることを考えてあげてください。もし、働かなくても困ることがないのであれば、無理に就職することはありません。
看護師人材紹介会社のキャリアアドバイザーが最低限やっておくべき3つのポイント
2022.02.21
今回は、看護師向け人材紹介会社のキャリアアドバイザー向けに、マッチングを成功させる3つのポイントをお伝えします。
看護師さんの人材紹介って難しいな…と感じる方に必見の内容です。
看護師の人材紹介に限った話ではないかもしれませんが、一番大切なことは「キャリアアドバイザーは何をしなければいけないのか?」を自分の中で明確にしておく必要があります。
まず、最初に押さえておかないといけないことは、人材紹介の仕事は、求職者を事業所に紹介をする仕事ではなく、求職者のキャリアに関する悩みと事業所の採用の課題を解決する仕事である、ということです。
人材紹介会社の役割は、求職者を事業所に紹介することだと思っているキャリアアドバイザーは
✔ 希望通りの求人を紹介してもなかなか応募意志が取れない
✔ 「やっぱり自分で探してみます」と言われる
✔ 音信不通になってしまい、あとから他社決定や自己応募で決まったと連絡がくる
という悩みを抱えているケースが多いです。
こういった悩みを抱えているキャリアアドバイザーは、看護師さんとの会話は求人内容に関する話が多く、看護師さんとの連絡が途絶えそうになった時には、求人情報を送付することで返信をもらおうとする傾向があります。
このような場合、一生懸命求人情報をお伝えし求職者の役に立とうとしているように見えるものの「求職者のキャリアに関する悩みを解決する」という役割を果たせていないため、マッチングに至らないことが実は多いのです。
また、「”親身になって話を聞いてくれてありがとうございました!”という感謝の言葉を看護師さんからもらえるのに、なかなか成約できません。」というキャリアアドバイザーも多く存在します。もちろん、100%成約するのは不可能に近いのですが、毎回毎回この内容で成約しないのであれば要注意です。
こちらの場合も同様で「求職者のキャリアに関する悩みを解決する」という役割は果たせていない、ということです。もしかしたら単なる「お悩み相談室」になっているかもしれません。
そもそも、転職はキャリアの課題解決の手段です。
キャリアアドバイザーは、求人情報を提供することが仕事ではありません。お悩みを聴いてあげることだけが仕事でもありません。
求職者の課題を解決に導く仕事であるという意識を持つことが何よりも大切です。
では、具体的にキャリアアドバイザーが求職者にどのようなことをしなければいけないのか?ということについてお話していきます。
キャリアアドバイザーとしての仕事は大きく分けて下記の2つです。
1,転職関連の作業の代行やアドバイス
求人探索、募集確認、書類選考、履歴書添削、面接対策など、転職の際に必要なことを日々忙しい看護師さんに代わって行ったり、内定を獲得するためのアドバイスを行うこと。看護師さんが転職活動するための負担を軽くしてあげること。
2,意思決定のサポート
転職したらいいのか?このまま頑張ったほうが良いのか?どんな就職先が自分に合っているのか?求人がたくさんあるがどうやって絞ったら良いのか?など、転職するしないも含めて、看護師が意思決定に必要な情報を提供したり、アドバイスをしたりすること
この2つの中で、おそらく1については、多くのキャリアアドバイザーができていますが、2についてはできているでしょうか?
求職者とコミュニケーションを取る中で「たくさん求人提案したのに、1つも応募意思がとれない」「希望条件が多すぎて提案できる求人が全然ない。やっと1つ応募可能先を見つけたのになかなか決めてくれない」という悩みがあるキャリアアドバイザーというのは、意思決定のサポートがうまくできていない可能性が高いです。
人は、選択肢が多すぎるとなかなか決められない傾向があります。
経験豊富で夜勤もできる、病院でも施設でも訪問看護でもなんでも頑張ります!という看護師さんはどこの事業所も採用したいので、応募可能先が大量に発生します。そうなると、何を基準に選んでよいのかがわからなくなって「決められない」という状態になります。
こういった方には、その求職者がどんな悩みを抱えて転職するのか?をきちんとヒアリングした上で、どんな優先順位で仕事を探したらよいのか?も合わせて話をすることでたくさんある求人を少しずつ絞っていくことが必要です。
逆に、選択肢が少なすぎても、決められない傾向があります。
ご家庭の事情などがあり、土日祝休み、日勤、正社員、クリニック希望など、条件が多くなってしまう看護師さんも多いでしょう。そのような場合、なかなか応募可能先が見つからず、あっても1つ…ということもあると思いますが、とはいえ、応募可能先が1つしかないのに「決めてください」と言われても決めにくくありませんか?比較対象があったほうが圧倒的に決めやすくなります。
こういった方には、その方ができること・できないこと、働くことで何を実現したいのか?をしっかりとヒアリングした上で、フルタイムパートの提案やクリニック以外の提案などをすることで、選択肢を1つでも増やし、応募先を増やすことが必要になってきます。
今の時代、情報を収集することはとても簡単なことです。
キャリアアドバイザーがやらなければいけないのは、選択肢が多い求職者に対して情報を整理してあげること、選択肢が少ない求職者に対して選択肢を1つでも増やしてあげることによって、求職者が意思決定しやすい状態にしてあげるということです。
キャリアアドバイザーの役割が分かっても、看護師さんとのコミュニケーションがうまくできないと、マッチングはうまくいきません。
コミュニケーション力というのは、単に、人と話すのが好き、話上手、という意味合いではありません。ここお話する「コミュニケーション力」というのは、求職者と信頼関係を構築するということを指しています。
では、どのように信頼関係を構築したらよいのか、についてお話していきます。
求職者から信頼してもらうために意識してほしいのは、”安心感を与える”ということです。
求職者に「この人は話を聞いてくれる人だ」「親身になってくれる人だ」と思ってもらわないと、本音を話してもらえませ本音で話してもらうには、相手に、話を聞いてくれているという実感を与えることが重要です。
下記の4つは「基本のき」なのでおさえておきましょう。
① 相槌を打つ
相手が話している時は無言ではなく「はい」「えぇ」等、適度に相槌を打ちましょう。
② オウム返しをする
相手が話終わったら、復唱しましょう。
例)求職者「残業が多くて大変で…」→キャリアアドバイザー「残業が多くて大変だったのですね」
③ 肯定する
相手の価値観が自分と違ったとしても否定せず「そうなのですね」と受け止める。
④ ペーシング
相手が話すスピードや声のトーンに自分も合わせる
さて、マッチングを成功させるために最低限やっておくこと、の3つ目は、面談のゴールを設定することです。
1でお話した内容の繰り返しになりますが、キャリアアドバイザーの役割は求職者のキャリアの課題解決をすることですから、面談では、求職者が現在どんなことに困っていて、何に悩んでいるのか?が分からないと解決などできるはずがありません。
ということは、面談のゴールは「求職者の現状を把握できている状態」ということになります。
まず、求職者の課題と求めているものが明確になっていることです。
求職者が何に困っているか?現職で働き続けることでどんな支障があるのか?という求職者の“課題”を抽出し、何を求めているのか?を求職者自身もキャリアアドバイザーも双方がきちんと分かった状態であることが大切です。
これに加え、求職者の生活背景を理解できているということもかなり重要です。
看護師は基本的にシフト勤務であり、夜勤やオンコール、早番・遅番などの変則勤務も多く、心身ともに負担がかかる仕事が多いです。また、女性の割合が多い職業でもあり、ライフイベントを控えている人も多いため、仕事と生活は他の職種に比べると切り離すことが難しいと言えます。
ご家族構成(パートナーやお子さんのこと)を含めて、どんな生活を送っていて、今後どんな生活を送っていきたいのか?まで理解できた状態で面談を終えておくことが大切です。
面談でゴール設定をせずに、なんとなく求職者と会話をしてしまうと、聞いた条件を元にとりあえず求人を送ってしまったり、愚痴やお悩みを聞くだけ聞いて終わってしまった、なんてことが起こってしまいます。
面談は、条件を聞く時間でもなければ、お悩み相談室でもありません。
求職者のキャリアの課題を解決するために”求職者のことを知る時間”という意識で面談を行いましょう。
参考: キャリア?子育て?女性医師の働き方を考える|勤務医ドットコム