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医療脱毛クリニックで働く「美容看護師」をご存じですか?お客様一人ひとりにあった脱毛プランを提案、専用の機器を用いて施術を行っていく看護師です。
本記事では、医療脱毛クリニックで働く美容看護師の本音、仕事内容や必要なスキルを紹介していきます。
また、病棟勤務には無いメリットもたくさんあるので、現在の職場から転職を考えている看護師さんは本記事をチェックしてみてください。
美容クリニック・脱毛クリニックの看護師の給料
美容クリニック・脱毛クリニックは看護師の給料が高いイメージがあるかと思います。
看護師の給料は大よそ下記となります。
■年収の相場は「美容皮膚科・脱毛クリニック:400~450万円」「美容形成外科:420~500万円」くらいが一般的
※上記金額は大よその目安となり、経験や運営会社により異なります。
■月の給料(月収)は30~40万となり、美容クリニックによっては売上に応じたインセンティブ制度を設けているケースもあり
■パート(非常勤)の看護師の場合、平均時給は1,700円前後となるケースが多い
夜勤が無いことを考えると、20代で400万以上の年収となるので、美容クリニックに勤務する看護師の給与は比較的高い水準であることが分かります。
美容看護師は何歳まで?いつまで働くことがOKなの?
美容看護師の年齢は何歳までOKなのでしょうか?
看護師紹介会社の代表を務める、NOAJAPAN株式会社の児玉さんにお聞きししてみました。
児玉さんは10年以上看護師の紹介事業の社長としてご活躍されながら、現役のキャリアアドバイザーとして日々看護師の転職相談に乗っておられます。

会社の代表を務めつつ、自身でも看護師のキャリアアドバイザーを10年以上続ける看護師紹介のプロフェッショナル。
都内の美容クリニックへの紹介実績多数。
児玉さん
率直に言うと、年齢は20代の方が有利です。
私も多くの看護師さんの転職をサポートしてきましたが、やはり美容クリニックの面接は20代の方が通過し易い傾向にあります。
絶対無理ということではないですが、35歳以上で美容業界が未経験の場合はかなり採用のハードルは高くなってしまうというのが正直な所です。
医療脱毛クリニックで働く看護師の本音
1日中カウンセリングとレーザー照射をこなし続けるのが美容看護師の仕事。
病院から転職して、イメージと実態がかけ離れて早期離職に繋がる場合もゼロではありません。
医療脱毛クリニックで働く看護師の本音とは、どのようなものなのでしょうか?
児玉さん
10年以上、看護師さんの転職相談に乗っていますが、医療脱毛クリニックで勤務する看護師さんの本音を聞くとプラス面もマイナス面もあります。
医療脱毛クリニックで働く看護師さんから聞いた本音をまとめてみました。
脱毛クリニックで働く看護師の本音:メリット5選
1:脱毛器を覚えるのは一機種1ヵ月~2ヵ月程度なので、数機種あったとしても3ヵ月程度で覚えられる
2:看護師経験が全くない新卒でも脱毛器のみの利用の為、採用される
3:年齢層が圧倒的に低く、同世代の看護師で働ける
4:脱毛クリニック経験があれば同内容の脱毛クリニックでの採用はされやすい
5:若年層の方に関しては高給与
脱毛クリニックで働く看護師の本音:デメリット5選
1:脱毛器のみの施術なので、業務が簡易的過ぎて飽きる
2:脱毛1名あたり1時間程度の施術で1日7名程度対応し、個室での作業のみになる為、看護要素はゼロ
3:競争過多になっている業界の為、法人側が接遇や礼儀などに非常に厳しい
4:経験の幅は狭く、美容業界以外ではキャリアとしては反映されないことが多い ※注射なども全くない為
5:給与は高いがあまり昇給はない
医療脱毛クリニックで働く看護師の本音としては若くして高給与であり、美容のプロフェッショナルとしてのキャリアを歩めるというメリットを感じる一方で、看護要素が無く業務が簡易的である為、看護師としてのキャリアに反映されない葛藤を抱える事が多いという事になります。
医療脱毛クリニックで働く美容看護師の仕事内容は?病棟と何が違うの?
時代とともに世間に浸透し、現在は男性の利用者も増えてきた美容脱毛の世界。
一般的なエステサロンで受けられる光脱毛は出力が弱く、持続的な効果をあまり実感しにくいのに比べ、医療脱毛クリニックで受けられるレーザー脱毛は出力が強く、通う回数も少なく済むという特長があります。
今回はそんな医療脱毛クリニックで働く看護師である「美容看護師」の仕事内容や必要なスキルを調べていきましょう。
まずは基本的な仕事内容について。医療脱毛クリニックで働く美容看護師の業務は病棟看護師と比べて大きく異なります。
主な仕事内容
1:受付・接客
2:カウンセリング
3:施術(専用機器を使用したレーザー照射など)
4:お客様へのアフターケア
5:機器の管理・院内の清掃
医療脱毛クリニックで働く美容看護師の業務①:受付・接客
医療脱毛クリニックで働く美容看護師の業務に受付や予約の管理、接客などがあります。
規模が大きいクリニックの場合は受付業務専門のスタッフが在籍している場合もありますが、比較的小規模のクリニックでは看護師が兼務することが多いです。
医療脱毛クリニックで働く美容看護師の業務②:カウンセリング
医療脱毛クリニックでは、お客様の悩みをじっくり聞いて適切な施術を提案します。
また、施術に対する不安を取り除きながら脱毛の仕組みや注意点、リスクの説明も欠かさず行います。医師の診断のもと、美容医療のプロとして一人ひとりの皮膚の状態にあった照射の仕方や、出力のレベルを判断し、最適な施術をするための大切なプロセスです。
カウンセリングは基本的にドクターがおこないますが、料金体系を含むその後の細かな説明などは看護師がおこないます。
医療脱毛クリニックで働く美容看護師の業務③: 施術(専用機器を使用したレーザー照射など)
美容看護師は脱毛機を使用して、丁寧に素早くレーザー照射をしていきます。
医療脱毛の機器は主に「熱破壊式」と「蓄熱式」の2種類があり、クリニックによって導入機器は異なります。
医療脱毛クリニックで働く美容看護師の業務④: お客様へのアフターケア
医療脱毛の場合は施術中に強い痛みを伴うことがあるため、術後のケアは大切です。当日の注意事項や自宅でケアする際のポイントなどをお客様に説明するのみ、美容看護師の重要な仕事です。
医療脱毛クリニックで働く美容看護師の業務⑤: 機器の管理、院内の清掃
美容看護師は使用した脱毛機器の消毒、メンテナンスを行います。スムーズに施術がすすめられるよう、適切な管理、整理整頓は欠かせません。
このように、一般病棟で行っていた看護業務とはかなり違うことがわかります。
ここで、メインの業務であるレーザー照射を行う上で、施術を担当する看護師が気をつけているポイントをいくつかご紹介します。
業務内容を具体的にイメージする参考にしてください。
美容クリニックの看護師が仕事で気をつけなければならないポイント
お客様の痛みをできるだけ和らげる
エステサロンの光脱毛に比べ、レーザー照射の医療脱毛はある程度の刺激や痛みが伴います。その痛みの感じ方は人それぞれで、気にならない人もいれば、施術中に声を上げてしまう人も。
その中で看護師は痛みの確認を随時行い、できるだけコミュニケーションをとりながら、お客様にリラックスして施術を受けてもらえるように配慮しています。
脱毛の施術ムラがないようにする
セルフで脱毛するときに起こりがちな処理のムラ。
美容看護師として施術を行う場合はそのようなミスが起きないよう、ハンドピースを身体のラインに沿って正確に使用し、ムラなく照射していく技術が求められます。
皮膚トラブルに細心の注意を払う
医療脱毛は機械を使う施術とはいえ、レーザー照射の技術は看護師に委ねられています。施術の方法を誤れば皮膚が炎症を起こしてしまうことも。
皮膚トラブルを起こさないようにするためにも日々練習を重ね、照射の技術を磨いていくことが大切です。
いかがでしょうか。
医療脱毛クリニックで働く美容看護師は、レーザー照射の技術習得もさることながら、担当するお客様と個別にしっかり会話をしながら施術をすすめていくという特徴があることがわかります。
職人のようなイメージでレーザー照射を黙々と続けることはありませんし、どちらかといえば病棟勤務よりも接客スキルが必要になってくるので、自分が客としてクリニックに行ったときにどのような対応だったら安心できるかを考えながら働く必要があるでしょう。
美容クリニック・医療脱毛クリニックに向いている看護師の特徴は?
医療脱毛クリニックに興味があるけれど、自分にできるか不安という看護師さんも多いのではないでしょうか。
実際にどのような看護師が医療脱毛クリニックに向いているのでしょうか?
人と関わることが好きな看護師
医療脱毛クリニックで施術をするお客様は一定期間、複数回に渡って来院をするのが基本。
そして担当看護師は施術の最中、そしてお見送りまで常にコミュニケーションを継続します。
そのため「お客様との関係性を作りながら仕事をしたい」という人にはピッタリといえます。人と関わることが好きな人、人が美しくなることに喜びを感じる人であれば、楽しく働くことができるのではないでしょうか。
レベルの高い接客マナーを学びたい看護師
医療脱毛はひとりのお客様と接する時間が長い上に高額の費用を要するため、相応の接客スキルを求められます。
多くのクリニックでは、入職後に機器の使い方とあわせて接客の研修も重点的に行われるほどです。しっかりとした接客マナーを身につけて、将来的に美容看護師として成長したいと考えている人はマッチしやすいでしょう。
細部まで気を配れる・整理整頓ができる看護師
施術では、対象となる部位に沿ってしっかりムラなくレーザー照射を行わないと、脱毛効果が実感できない部分ができてしまいます。きちんと細部まで気を配りながら、丁寧に施術ができる看護師が向いているといえます。
また、時間内に効率よく安全に施術を行う上では事前の準備が大切です。機械の準備が不十分であったり、施術室が片付いたりしていない状態では、お客様を待たせてしまい、時間内に施術ができなくなってしまいます。日頃から整理整頓など、自己管理ができる看護師が向いています。
以上のポイントで挙げた看護師は比較的適性があり、転職しても活躍しやすいのではないでしょうか。
根本的には美容に対して興味がある人、そして、お客様はじめ周りの「美」に対する探究心に負けないくらいの想いやモチベーションがあることが大切だと思います。
美容看護師の疑問を解決! 「病棟に戻りにくい」「ノルマがキツい」は本当?
医療脱毛クリニックで働く美容看護師に興味があるけれど、職場の同僚や先輩、またはインターネットなどでさまざまなエピソードを見聞きして、疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。
実際に病棟勤務の看護師からはあまりいい印象を持たれていなかったり、ナースステーション内で憶測中心のウワサが飛び交っていたりすることもあります。
それでは、そのような疑問をひとつずつ調べながら解消していきましょう。
看護師が美容クリニックに就職したら病棟に戻りにくいって本当?
美容整形外科、美容皮膚科、そして医療脱毛などの美容クリニックで働くと、再び病棟に戻りにくくなるというのもよくある話。その理由は転職の際、クリニックでの勤務は臨床経験とみなされないことがあるからです。
実際はその看護師に基礎看護技術がどれだけあるか、病棟勤務にどれだけブランクがあるかなど、その人によって変わる要素が多いですが、同じ医療業界ですので採用に関しての要件を満たしていれば、基本的にはそこまで戻りにくいということはありません。
現場でのカンを取り戻すのはサポートしてくれる環境が整っているかにもよりますが、最終的には本人の努力次第だと思います。
ただ、給与や役職など待遇を決める際にクリニックでの勤務が臨床経験とみなされるかどうかで違いがでることはあるかもしれません。気になる場合は面接などで担当者に確認するようにしてください。
施術中に美容看護師はずっと会話してるって本当?
どのお客様に対してもずっと会話し続けているというわけではありませんが、あながち間違いではありません。
医療脱毛クリニックの特徴は、お客様と密にコミュニケーションをとりながら施術をすすめていくというところです。
初めて医療脱毛を経験するお客様は緊張しますし、VIO脱毛など恥じらいが生じる施術も多いもの。そこで、会話でリラックスしてもらいながら施術することで、お客様に少しでも心地よい時間となるよう努力しているのです。イメージとしてはネイルサロンや美容室の接客に近いといえるでしょう。
また、医療脱毛は刺激や痛みを伴うので、痛みの程度がどのくらいか会話を通して常に確認を行いつつ、施術をすすめていくという意味合いもあります。
美容看護師はノルマがキツいということもあるの?
美容クリニックの中にはインセンティブの割合が多い給与システムで、ノルマを達成しなければ相場より低い給与になるところもあるのは事実です。
ですから「夜勤無し、日勤のみでこんなに高収入?」と、闇雲に求人情報のうわべだけをみて応募することはやめましょう。
但し、最近は営業ノルマを課す美容クリニックはかなり少なくなってきています。
ではどうやって見極めればいいのか。失敗しないためには看護師専用の転職エージェントを利用するという方法があります。
登録すれば、信用できる医療脱毛クリニックの求人はもちろんのこと、そのほかの美容皮膚科・美容整形外科といった美容ナースの求人をたくさん紹介してもらうことができます。もし入職後に問題があった場合も、あいだにエージェントが入ってくれるので安心です。
美容看護師には特別な資格を保有してないといけないのでは?
病棟から医療脱毛クリニックに転職しようと思っているけど、実際に自分が施術を受けたこともないし、知識もない。
なかには「看護師資格だけで大丈夫かな?」「レーザー機器を扱う資格が必要なのでは?」と考える人もいると思いますが、医療脱毛クリニックは看護師の資格があれば働くことが可能です。
もちろん、医療行為に関してはあくまで医師の指示で行います。
以上が、医療脱毛クリニックで働く美容看護師への疑問とその真相でした。不安は少し取り除かれたでしょうか?
メリットもデメリットも理解した上でクリニックを探してみてください。
病院を辞めたいと思っている看護師の転職先には医療脱毛クリニックがおススメな理由
病棟を退職しても看護師として活躍できる場所はたくさんありますが、その中でも、医療脱毛クリニックへの転職はおススメです。
もちろん、看護師さんの転職理由は人それぞれ。そのなかで、医療脱毛クリニックがおススメ候補の一つとして挙げられる理由を5つ紹介していきます。
もしかしたらこれで今の悩みが解決するかもしれません。
病院を辞めたい看護師に医療脱毛クリニックが転職先としておススメな理由
1. 仕事を覚えやすく適応しやすい
美容クリニックの中でもオペ看や、多種類の医療機器の扱いを覚える必要がある美容整形外科に比べ、医療脱毛のみを行う専門のクリニックの場合は、脱毛機器の使用方法を習得すれば基本的な業務ができ、看護師としての仕事は比較的覚えやすいといえます。
一般的な美容クリニックであれば1、2ヶ月で施術ができるようになるはずです。
その後は、美容クリニックの施術メニューを理解しながら、カウンセリングを通してお客様に合った施術内容を提案できるよう、機器の使い方だけでなく美容全般の知識を身につけていきます。
2. 脱毛の照射を割引価格や無料で実施できる
機器の使い方は自分やほかのスタッフの身体で実際に照射をしながら学んでいくため、自然と脱毛ができていくといううれしい特典が!
また、自分はもちろんのこと、家族なども利用できる割引を設けているクリニックもあります。実際に自分が施術を受けて効果を実感できれば、お客様への提案もしやすくなり一石二鳥です。
3. 日勤のみで勤務できる
医療脱毛を行う美容クリニックは夜勤がないので、身体的な負担が少なく年齢を重ねても働きやすいというメリットがあります。
実際、結婚を機に「家庭を大事にしながら働きたい」という理由で病棟勤務から転職する看護師も多くいます。
夕飯の買い物をして自宅に帰り、家族との時間もしっかりとれるのがうれしいですね。
4. 快適に通勤できる
多くの美容クリニックの開院時間が10時以降と少し遅めに設定されているのがポイント。
満員電車を回避しやすいためストレスなく通勤することが可能です。ちょっと早めに出かけた朝はカフェでモーニングコーヒーを楽しむ余裕もできます。
5. 人間関係で悩むことが少なくなる
看護師の悩みで圧倒的に多い人間関係のストレス。病棟の先輩看護師やお局看護師から小言を言われる毎日で「今すぐ辞めたい」と考えている人も少なくないでしょう。
一方、医療脱毛クリニックの場合は、病棟に比べ人間関係のトラブルが少ない傾向にあるようです。というのも、中心となる仕事は「接客」であるため看護師もコミュニケーション力が高い人が多く、トラブルに発展しにくいから。
また、日勤のみで規則正しい生活を送り、プライベートと両立しながら働けているとスタッフのストレスも少なくなり、自然と明るい職場になりやすいのではないでしょうか。
とはいえ、大小問わず人間関係のトラブルはどの職場でも起こりうること。職場の雰囲気はあらかじめホームページなどで調べておくか、転職エージェントを通して応募し、担当者に相談するなどして対策する方がいいでしょう。
このように医療脱毛クリニックでは、病棟勤務とは違った「働きやすさ」があり、これまでの働き方を見直したい看護師におススメといえます。
また、美容のプロとして専門知識も学べますし、美意識の高いお客様との関わりにも刺激を受けるはずです。
まとめ
今回の記事を読んでみて、医療脱毛クリニックで働くイメージが湧いてきたでしょうか?
美容看護師はお客様にさまざまな「美」を提供するやりがいのあるお仕事です。人と関わることが好きな人や働き方を見直したい人、美容医療に興味がある人など、どれかひとつでも当てはまれば、きっと医療脱毛クリニックで楽しく働くことができるはず。
また、アルバイトやパートの募集もあるので、出産や子育てに伴うライフステージの変化に応じて働き方を変えやすいのもうれしいポイント。看護師として長く働きたいのであれば、医療脱毛クリニックへの転職を検討してみてはいかがでしょうか。
未経験者が脱毛サロンの求人に応募する時の志望動機については、こちらの記事で詳しく解説されています。あわせてご確認ください。 参考:未経験者が脱毛サロンの求人に応募する時の志望動機は?おすすめ例文も紹介 | 求人情報のキレイジョブ公式サイト
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